遺言と死後事務委任契約

通常の手続きでは、人が亡くなると、親族などが死亡届を市町村に提出し、
埋葬許可を得た上で、火葬をし、お墓に入れることとなります。

もし、近くに頼れる親族がいない場合、どうすればいいのでしょうか。

市町村という役所の方で、すべての手続きをして頂けるのでしょうか。

第九条 死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、
死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。
(墓地、埋葬等に関する法律)

埋葬や火葬は役所の義務といえますが、関連する手続きすべてを行ってもらうことはできないでしょう。
事前に死後の手続きを役所にお願いするわけにもいきません。

遺言書は、財産処分に関するご自身の意思を生前に残すことはできます。
では、遺言で死後の手続きについて決めておくことはできるのでしょうか。

遺言によってできる行為(遺言事項といいます)は厳格に決められています。

遺言事項には、相続財産をどうのように分け与えるのか、
その財産分配を含めた遺言の実行を行う者(遺言執行者といいます)を
決めることなどが含まれています。

遺言事項は、遺言に書くことで法的に有効なものとなります。

ただ、遺言事項には、死後事務委任はありません。
つまり、葬儀などの手続きは、遺言とは別の方法で用意することが必要になります。

生前にできる対策として、葬儀社に葬儀の予約などをすることはできます。
しかし、葬儀や埋葬の手配などを葬儀社へ連絡するためには、頼りとなる親族は必要となるでしょう。

親族が近くにいない方、また、いたとしても関係が疎遠で世話になりたくない
と考えている方も少なくないと思います。

ご自分の死後の手続きを第三者に依頼するという方法、
死後事務委任契約を結ぶことは有効な手立てといえます。
遺言では実現できない事項を行うことができるようになります。
予め契約することで、ご自分の葬儀や埋葬、遺品整理などの手続きを
希望に沿う形で行うことができます。

遺言や死後事務委任契約について、
ご相談のある方はお気軽に弊事務所にお問い合わせください。

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