建設業の許可を受けた後にも、定期または必要に応じて変更届を出す必要があります。
提出期限が変更届の内容によって違います。その内容によって、期限が30日以内、14日以内、4か月以内とされ、その期限内に変更届の提出が求められます。
はじめに、提出期限30日以内の変更届をみていきます。変更の内容は、許可申請書の記載事項(例えば、商号や資本金、役員などです)についてのものです。
建設業法には以下のように定まっています。
第十一条 許可に係る建設業者は、第五条第一号から第五号までに掲げる事項について変更があつたときは、国土交通省令の定めるところにより、三十日以内に、その旨の変更届出書を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。
同法第五条第一号から第五号に掲げる事項とは以下のとおりです。
一 商号又は名称
二 営業所の名称及び所在地
三 法人である場合においては、その資本金額(出資総額を含む。第二十四条の六第一項において同じ。)及び役員等(業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者又は相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者をいう。以下同じ。)の氏名
四 個人である場合においては、その者の氏名及び支配人があるときは、その者の氏名
五 その営業所ごとに置かれる第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者の氏名
第七条第二号を参照します。
二 その営業所ごとに、次のいずれかに該当する者で専任のものを置く者であること。
イ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校(旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による実業学校を含む。第二十六条の七第一項第二号ロにおいて同じ。)若しくは中等教育学校を卒業した後五年以上又は同法による大学(旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学を含む。同号ロにおいて同じ。)若しくは高等専門学校(旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校を含む。同号ロにおいて同じ。)を卒業した(同法による専門職大学の前期課程を修了した場合を含む。)後三年以上実務の経験を有する者で在学中に国土交通省令で定める学科を修めたもの
ロ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者
ハ 国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者
専任の技術者の要件として、イの場合は学歴+実務経験、ロの場合は実務経験、ハの場合はイ又はロと同等以上の能力があると国からの認定としています。専任の技術者はイ、ロ、ハのうち一つの要件を満たす必要があります。
次に、提出期限14日以内の変更届をみていきます。変更内容としては、専任の技術者に関するものです。専任の技術者は、必要な要件を満たす者でなければなりません。
建設業法第十一条第四項、第五項には、次のとおりです。
4 許可に係る建設業者は、営業所に置く第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者として証明された者が当該営業所に置かれなくなった場合又は同号ハに該当しなくなった場合において、これに代わるべき者があるときは、国土交通省令の定めるところにより、二週間以内に、その者について、第六条第一項第五号に掲げる書面を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。
5 許可に係る建設業者は、第七条第一号若しくは第二号に掲げる基準を満たさなくなったとき、又は第八条第一号及び第七号から第十四号までのいずれかに該当するに至つたときは、国土交通省令の定めるところにより、二週間以内に、その旨を書面で国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
第八条は専任の技術者の欠格要件を列挙している条文です。したがって、欠格条件に該当する専任の技術者では、建設業許可の要件を満たさなくなります。
専任の技術者の削除や交代、欠格要件に該当した場合に14日以内の変更届を求めています。
提出期限4か月以内のものとしては、決算です。3月決算の場合は、7月末までに提出する必要があります。
建設業法第十一条第二項で定めています。
許可に係る建設業者は、毎事業年度終了の時における第六条第一項第一号及び第二号に掲げる書類その他国土交通省令で定める書類を、毎事業年度経過後四月以内に、国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。
第六条第一号及び第二号には以下の書類が求められています。
一 工事経歴書
二 直前三年の各事業年度における工事施工金額を記載した書面
さらに、詳細については、建設業法施行規則第十条に定められています。
第十条 法第十一条第二項の国土交通省令で定める書類は、次に掲げるものとする。
一 株式会社以外の法人である場合においては別記様式第十五号から第十七号の二までによる貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び注記表、小会社である場合においてはこれらの書類及び事業報告書、株式会社(小会社を除く。)である場合においては別記様式第十五号から第十七号の三までによる貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、注記表及び附属明細表並びに事業報告書
二 個人である場合においては、別記様式第十八号及び第十九号による貸借対照表及び損益計算書
三 国土交通大臣の許可を受けている者については、法人にあっては法人税、個人にあっては所得税の納付すべき額及び納付済額を証する書面
四 都道府県知事の許可を受けている者については、事業税の納付すべき額及び納付済額を証する書面
2 法第十一条第三項の国土交通省令で定める書類は、第四条第一項第一号及び第六号に掲げる書面とする。
同条第二項にある第四条第一項第一号及び第六号により求められている書面とは、使用人の一覧表と定款のことです。
変更届は変更内容によって提出期限が違い、注意を要するものです。変更届に関して、ご相談のある方はお気軽に弊事務所にご連絡ください。
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