経営事項審査とは

一定以上の工事代金の建設工事を請け負うためには、建設業の許可を受けなければなりません。

建設業法には、建設業の許可を下記のように定めています。

第三条 建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。
一 建設業を営もうとする者であつて、次号に掲げる者以外のもの
二 建設業を営もうとする者であつて、その営業にあたつて、その者が発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を、下請代金の額(その工事に係る下請契約が二以上あるときは、下請代金の額の総額)が政令で定める金額以上となる下請契約を締結して施工しようとするもの

しかし、建設業の許可を受けているだけでは、公共工事を請負う資格としては十分ではありません。経営事項審査というものを受けなければなりません。

経営事項審査とは、国や地方公共団体などが発注する公共事業を直接請け負おうとする場合に必ず受ける必要のある審査です。
公共事業の各発注機関は、入札参加する建設業者について資格審査を行います。
この資格審査は、欠格要件に該当しなければ、客観的事項と発注者別評価の審査結果を点数化(総合点数)して、格付けを行います。客観的事項にあたる審査が経営事項審査といわれるものです。

建設業施行令に以下のように定められています。

第二十七条の二十三 公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。
2 前項の審査(以下「経営事項審査」という。)は、次に掲げる事項について、数値による評価をすることにより行うものとする。
一 経営状況
二 経営規模、技術的能力その他の前号に掲げる事項以外の客観的事項
3 前項に定めるもののほか、経営事項審査の項目及び基準は、中央建設業審議会の意見を聴いて国土交通大臣が定める。

経営事項審査には、建設業者の経営規模の認定、技術力の評価、社会性の確認及び経営状況の分析があります。

経営状況の分析については、国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関が行います。

経営規模の客観的事項の評価とされる経営規模等評価については、国土交通大臣又は都道府県知事が行います。

経営規模等評価の審査機関が東京都知事の例をみますと、

経営規模の審査は、完成工事高、自己資本額など、
技術力の審査は、技術職員数と元請完成工事高、
社会性の審査は、建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況や防災活動への貢献の状況など

上記の項目を挙げています。

経営事項審査を受けるためには審査機関に申請書を提出する必要があります。
申請書作成や添付する資料などに関してご相談のある方は、
お気軽に弊事務所へご連絡ください。

        ⇓

行政書士越路雄祐事務所のホームページ