障害を抱えている方たち(以下、障害者とします)は、親から介護や支援などを受けて、長年実家暮らしを続けることも少なくないのではないでしょうか。障害の機能面や精神面の改善を図ることは一般に容易ではなく、障害と共に生きていくことを漠然としながらも承知して親や障害者は、日々の生活を送っている様子が想像されます。
しかし、親も障害者も時間の経過とともに、年を重ねていきます。いわゆる8050問題として最近取り上げられることが多くなりました。年老いた親と障害者が同居し続けることの難しさが顕在化してきています。
障害者が実家を離れて地域で生活していくためには、地域に生活していく場所を確保しなければなりません。その場所の選択肢の一つとして、障害者グループホームが候補となり得るのではないでしょうか。
障害者グループホーム(法律上の名称は共同生活援助と呼ばれる障害福祉サービスの一つです)は、障害者が共同して生活していくものです。ホームの職員から、必要とあれば、障害者は手助けを受けられるので、実家を離れても一定程度の安心感をもって生活していくことができます。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法とします)第五条第十七項では、障害者グループホーム(共同生活援助)を以下のように定義しています。
この法律において「共同生活援助」とは、障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談、入浴、排せつ若しくは食事の介護その他の日常生活上の援助を行い、又はこれに併せて、居宅における自立した日常生活への移行を希望する入居者につき、当該日常生活への移行及び移行後の定着に関する相談その他の主務省令で定める援助を行うことをいう。
障害者総合支援法の上記条文の中にある、主務省令で定めるとあるとは、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則に以下のように定められています。
(法第五条第十七項に規定する主務省令で定める援助)
第六条の十の八 法第五条第十七項に規定する主務省令で定める援助は、次に掲げる援助とする。
一 居宅における自立した日常生活への移行及び移行後の定着に関する相談
二 住居の確保に係る援助
三 前二号に掲げるもののほか、居宅における自立した日常生活への移行及び移行後の定着に必要な援助
障害者グループホームでは、ホーム内での日常生活を送るために必要な支援以外にも、ホーム外の地域で生活するために必要な支援をも行うことが期待されています。老親が介護や支援を行っていくことが難しくなっていく中で、今後の障害者の行く末(8050問題)に対処するための一つの方策として、障害者グループホームは有用であると思います。
障害者グループホームの運営には、必要な人材や物的、財的な要件があります。障害福祉サービスの運営に興味のある方は、お気軽に弊事務所へご相談下さい。
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