後見人は利用者の生活を支えるため、必要なときは取消権を行使することができます。
(成年被後見人の法律行為)
第九条 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。
但し書きにある日用品の購入等には、
例えば、コンビニやスーパーでの買い物や電車に乗るための乗車券の購入、電気・ガス代、家賃などが含まれます。
重要な契約や高額なものは含まれていません。
成年後見人が取消権を行使するため、通常、内容証明郵便で通知書を相手方に送付します。
取消権を行使すると、
(取消しの効果)
第百二十一条 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。
初めから契約していないことになります。受け取ったもので現に利益を受けているものは返却する必要がありますが、消費してしまったものについては返却する必要はなくなります。
成年後見人が取消権を適切に行使することで、利用者の生活を守る場面は多くなります。しかし、過度の使用は、利用者の生活に制約を来たし、自己決定権の不当な介入ともなり得ます。
成年後見人は、利用者の失敗などを経験する試行錯誤を認めながらも、利用者自身の生活が脅かされるような場合は必要な介入をすることが望まれると言えるでしょう。
このバランスをとることは決して容易いことではありませんが、成年後見人個々に課せられた責務であると思います。
成年後見制度について、取消権をはじめ他に疑問や質問がある方はお気軽に弊事務所へお問い合わせください。
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