空き家になった実家をどうするか

実家を相続しても、既に不動産を所有している方は、実家を利活用することが難しく、また、その処分も困るという事態に陥りやすいと思います。

実家の空き家状態が続くと、家屋の状態は劣化していきます。そのため、日常の管理のため、時々訪問して窓を開けて風通しを図ったり、沢山の広告物や郵便物で埋まっているポストから取り出して処分する必要もあります。また、見知らぬ第三者に利用されてしまう可能性や、火災が発生する心配もあります。加えて、実家を管理する者や相続人には固定資産税や都市計画税がかかり続けます。

実家を空き家として放置することで生じる問題は多岐にわたります。

空き家に関して、空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、空き家特措法とします)が制定されています。空き家特措法の目的は以下のとおりです。

(目的)
第一条 この法律は、適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空家等の活用を促進するため、空家等に関する施策に関し、国による基本指針の策定、市町村(特別区を含む。第十条第二項を除き、以下同じ。)による空家等対策計画の作成その他の空家等に関する施策を推進するために必要な事項を定めることにより、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的とする。

空き家特措法には空き家を2つの類型を設けています。「空家等」「特定空家等」です。

(定義)
第二条 この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。第十四条第二項において同じ。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
2 この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。

空き家を有効活用できれば良いですが、多くの場合、築年数が50年以上経過し劣化も進んでいる状態です。空き家特措法に定義される家屋となれば、活用することも処分することも難しくなると思います。

さらに、築年数が古ければ、既存不適格建築物である可能性が高いです。つまり、旧耐震基準は満たしているが、現在の耐震基準を満たしていない家屋ということです。

空き家状態をそのまま長期間放置すれば、最終的には行政が除却処分をすることも考えられます。

(空家等の管理に関する民法の特例)
第十四条 市町村長は、空家等につき、その適切な管理のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所に対し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第二十五条第一項の規定による命令又は同法第九百五十二条第一項の規定による相続財産の清算人の選任の請求をすることができる。
2 市町村長は、空家等(敷地を除く。)につき、その適切な管理のため特に必要があると認めるときは、地方裁判所に対し、民法第二百六十四条の八第一項の規定による命令の請求をすることができる。
3 市町村長は、管理不全空家等又は特定空家等につき、その適切な管理のため特に必要があると認めるときは、地方裁判所に対し、民法第二百六十四条の九第一項又は第二百六十四条の十四第一項の規定による命令の請求をすることができる。

費用の面を考慮しても、早めに空き家になった実家を整理した方がよいと思います。

空き家等に関して、相談や質問等がございましたら、弊事務所へお気軽にご連絡下さい。

       ⇓

行政書士越路雄祐事務所のホームページ