亡くなった方の財産（以下、遺産とします）を相続人の間で分けるとき、遺言があれば遺言内容に沿って行っていくことが通常です。
しかし、遺言が残されていないケースは少なくありません。このままでは預貯金や不動産を相続人間で分割することが出来ません。そこで、遺産分割協議書を作成して、預貯金や不動産を分けていくことになります。
遺産分割協議書によって、相続人間で遺産を一定の方法で分けることを同意したことが第三者に確認できますので、遺産分割の事務手続きを進めることが出来ます。
遺産分割協議書作成は、一通の用紙に各相続人が署名と実印による押印します。この際、相続人同士が疎遠であったり、遠方にいたりすると、一通の書類のやり取りを行う煩雑さや時間を要することは想像に難くありません。
こうした場合、遺産分割協議書を一通の用紙にまとめずに、各相続人が別々の用紙に署名押印して、数枚の用紙を揃えることで、遺産分割が相続人全員の合意により成立したことの証拠資料となり、遺産分割協議書と同じ効力を有する書類を作ることができます。
上記の方法により作成するものを、遺産分割協議証明書といいます。遺産分割協議証明書は、遺産分割協議書を持ち回りする手間がないため、相続人同士が遠方にある場合などで労力軽減となり得ます。
相続人同士で特に紛争となる要素がなくても、遺言書がないと遺産分割協議書または遺産分割協議証明書の作成を相続手続にあたって求められることが多いと思います。相続手続の煩雑さを軽減するためにも、事前に準備できるのであれば遺言を書くことを検討していくことは大切なことと思います。
遺産分割協議書や遺産分割協議証明書などについて、ご相談やご質問等ございましたら、お気軽に弊事務所にご連絡ください。
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