外国人留学生が日本で就職するために必要なこと

外国人留学生が日本で就職するために必要なこと

外国人の学生が日本の大学や専門学校で勉強し、卒業後にそのまま日本に残って企業へ就職するときは、現在の在留資格を変更する必要があります。

留学の際に必要とされる在留資格「留学」から、在留資格「技術・人文知識・国際業務」や「特定活動告示46号」といった適切な在留資格へと変更する必要があります。こうした手続きを行わないと、正規に就業することが出来なくなります。

国として、外国人留学生の日本への就職を促進するための施策を行っています。

外国人留学生キャリア形成促進プログラムです。
文部科学省のHPをみると、以下のように内容となっています。

専修学校専門課程の学科であって、外国人留学生のキャリア形成促進を目的として、日本社会の理解の促進に資する教育を行うものを文部科学大臣が認定して奨励することにより、専修学校専門課程における外国人留学生のキャリア形成の機会の拡大を図ることを目的とするものです。

認定を受けた専修学校専門課程の学科を卒業し、高度専門士となった留学生については、大学卒業と同等レベルと考えられ、「特定活動告知46号」の対象に加えられることになっています。

「特定活動告示46号」の活動内容は、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件の中で記載されています。

法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて、当該機関の常勤の職員として行う当該機関の業務に従事する活動(日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務に従事するものを含み、風俗営業活動及び法律上資格を有する者が行うこととされている業務に従事するものを除く。)

日本国内で就労可能な在留資格の一つです。「特定活動告示46号」に必要とされる要件は、以下のとおりです。

一  次のいずれかに該当していること。
イ 本邦の大学(短期大学を除く。以下同じ。)を卒業して学位を授与されたこと。
ロ 本邦の大学院の課程を修了して学位を授与されたこと。
ハ 本邦の短期大学(専門職大学の前期課程を含む。)又は高等専門学校を卒業した者(専門職大学の前期課程にあっては、修了した者)で、大学設置基準(昭和三十一年文部省令第二十八号)第三十一条第一項の規定による単位等大学における一定の単位の修得又は短期大学若しくは高等専門学校に置かれる専攻科のうち独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が定める要件を満たすものにおける一定の学修その他学位規則(昭和二十八年文部省令第九号)第六条第一項に規定する文部科学大臣の定める学修を行い、かつ、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が行う審査に合格して、学士の学位を授与されたこと。
ニ 本邦の専修学校の専門課程の学科(専修学校の専門課程における外国人留学生キャリア形成促進プログラムの認定に関する規程(令和五年文部科学省告示第五十三号)第二条第一項の規定により文部科学大臣の認定を受けたものに限る。)を修了し、専修学校の専門課程の修了者に対する専門士及び高度専門士の称号の付与に関する規程(平成六年文部省告示第八十四号)第三条の規定により、高度専門士と称することができること
二 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。
三 日常的な場面で使われる日本語に加え、論理的にやや複雑な日本語を含む幅広い場面で使われる日本語を理解することができる能力を有していることを試験その他の方法により証明されていること。
四 本邦の大学、大学院、短期大学、高等専門学校、第一号ハに規定する短期大学等の専攻科又は同号ニに規定する専修学校の専門課程
の学科において修得した学修の成果等を活用するものと認められること

学歴要件として、高度専門士が加えられたことで、認定校を卒業した留学生が「特定活動告知46号」を得ることができるようになりました。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の活動内容については、出入国在留管理庁のHPには以下のように説明されております。

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(入管法別表第一の一の表の教授、芸術、報道の項に掲げる活動、二の表の経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、企業内転勤、介護、興行の項に掲げる活動を除く。)
該当例としては、機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等。

ここで注意を要する点が、専攻した科目と従事しようとする業務には関連性が求められていることが必要です。ただし、大学卒業者に関しては、関連性が緩和されています。出入国在留管理庁は以下のような見解を示しています。

大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とし、また、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するとされており(学校教育法第83条第1項、第2項)、このような教育機関としての大学の性格を踏まえ、大学における専攻科目と従事しようとする業務の関連性については、従来より柔軟に判断しています。

外国人留学生が日本国内で就職するには在留資格変更が必要です。ある程度の時間がかかりますので早めに動いた方がよいと思います。在留資格などその他ご質問のある方は、お気軽に弊事務所へご連絡ください。

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