報道されることも多いですが、工場や農場などで今、多くの外国人の方が働いています。こうした外国人の方の労働力なしでは、そもそも企業経営が成り立たなくなっているところも少なくない現状にあるかもしれません。こうした外国人の多くは、技能実習生として在留資格「技能実習」を取得して日本で働いています。
では、在留資格「技能実習」はどのような要件が必要であるかをみていきます。
出入国管理及び難民認定法の別表第一に、「技能実習」における本邦において行うことができる活動を以下のように定めています。
一 次のイ又はロのいずれかに該当する活動
イ 技能実習法第八条第一項の認定(技能実習法第十一条第一項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)を受けた技能実習法第八条第一項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第二項第一号に規定する第一号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて、講習を受け、及び技能、技術又は知識(以下「技能等」という。)に係る業務に従事する活動
ロ 技能実習法第八条第一項の認定を受けた同項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第四項第一号に規定する第一号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて、講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動
二 次のイ又はロのいずれかに該当する活動
イ 技能実習法第八条第一項の認定を受けた同項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第二項第二号に規定する第二号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動
ロ 技能実習法第八条第一項の認定を受けた同項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第四項第二号に規定する第二号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動
三 次のイ又はロのいずれかに該当する活動
イ 技能実習法第八条第一項の認定を受けた同項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第二項第三号に規定する第三号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動
ロ 技能実習法第八条第一項の認定を受けた同項に規定する技能実習計画(技能実習法第二条第四項第三号に規定する第三号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動
表の内容を整理しますと、技能実習は6種類(1号イ、1号ロ、2号イ、2号ロ、3号イ、3号ロ)あることがわかります。
ここにある1号、2号、3号の位置づけは、技能実習生の技能習得のため1号を、その後の技能の習熟するために2号、技能の熟達のために3号をという階層性があります。
イとロについては、イが企業単独型技能実習、ロが団体監理型技能実習という技能実習生の受け入れ先による区分を意味しています。企業単独型技能実習とは、日本の企業が海外の現地法人や合弁企業、取引先企業の常勤職員を直接受け入れるものです。一方、団体監理型技能実習とは、事業協同組合等の中小企業団体、商工会議所、商工会等が受入れ団体となって研修生・実習生を受入れ、傘下の中小企業において実務研修や技能実習を実施するものです。
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律には以下のように定められています。
第二条 この法律において「技能実習」とは、企業単独型技能実習及び団体監理型技能実習をいい、「技能実習生」とは、企業単独型技能実習生及び団体監理型技能実習生をいう。
2 この法律において「企業単独型技能実習」とは、次に掲げるものをいう。
一 第一号企業単独型技能実習(本邦の公私の機関の外国にある事業所の職員である外国人(入管法第二条第一号に規定する外国人をいう。以下同じ。)又は本邦の公私の機関と主務省令で定める密接な関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所の職員である外国人が、技能等を修得するため、在留資格(入管法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第一号イに係るものに限る。)をもって、これらの本邦の公私の機関により受け入れられて必要な講習を受けること及び当該機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等に係る業務に従事することをいう。以下同じ。)
二 第二号企業単独型技能実習(第一号企業単独型技能実習を修了した者が、技能等に習熟するため、在留資格(入管法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第二号イに係るものに限る。)をもって、本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等を要する業務に従事することをいう。以下同じ。)
三 第三号企業単独型技能実習(第二号企業単独型技能実習を修了した者が、技能等に熟達するため、在留資格(入管法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第三号イに係るものに限る。)をもって、本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等を要する業務に従事することをいう。以下同じ。)
3 この法律において「企業単独型技能実習生」とは、次に掲げるものをいう。
一 第一号企業単独型技能実習生(第一号企業単独型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
二 第二号企業単独型技能実習生(第二号企業単独型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
三 第三号企業単独型技能実習生(第三号企業単独型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
4 この法律において「団体監理型技能実習」とは、次に掲げるものをいう。
一 第一号団体監理型技能実習(外国人が、技能等を修得するため、在留資格(入管法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第一号ロに係るものに限る。)をもって、本邦の営利を目的としない法人により受け入れられて必要な講習を受けること及び当該法人による実習監理を受ける本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等に係る業務に従事することをいう。以下同じ。)
二 第二号団体監理型技能実習(第一号団体監理型技能実習を修了した者が、技能等に習熟するため、在留資格(入管法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第二号ロに係るものに限る。)をもって、本邦の営利を目的としない法人による実習監理を受ける本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等を要する業務に従事することをいう。以下同じ。)
三 第三号団体監理型技能実習(第二号団体監理型技能実習を修了した者が、技能等に熟達するため、在留資格(入管法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第三号ロに係るものに限る。)をもって、本邦の営利を目的としない法人による実習監理を受ける本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該技能等を要する業務に従事することをいう。以下同じ。)
5 この法律において「団体監理型技能実習生」とは、次に掲げるものをいう。
一 第一号団体監理型技能実習生(第一号団体監理型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
二 第二号団体監理型技能実習生(第二号団体監理型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
三 第三号団体監理型技能実習生(第三号団体監理型技能実習を行う外国人をいう。以下同じ。)
出入国管理及び難民認定法施行規則の別表第二(第三条関係)をみますと、「技能実習」在留資格における在留期間は以下のとおりに決められています。
一 法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第一号イ又はロに掲げる活動を行う者にあっては、一年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間
二 法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第二号イ若しくはロ又は第三号イ若しくはロに掲げる活動を行う者にあっては、二年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間
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