一般社団法人と一般財団法人

株式会社という組織を設立してビジネスを行う方法は、営利を目的としています。
非営利を目的としてビジネスを行う組織形態としては、
一般社団法人一般財団法人などがあげられます。

一般社団法人や一般財団法人は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
(以下、一般社団法人と一般財団法人をひとまとめとするときは、一般法人とします。
従って、この法律は一般法人法と略します)に規定されています。

一般社団法人と一般財団法人の違いは、前者が一定の目的の下に集まった人によって活動する法人と、後者が一定の目的で集められた財産を管理・運営する法人という点にあります。

一般法人とは、公益性の認定(特定の目的に応じた主務官庁の許可が必要)を受けることなく、
登記のみによって法人格をもつことができます。

一般法人の事業内容が制約されないという利点があげられます。
幅広い事業を行い、その事業活動から生じた利益を再投資していくことができます。
公益性の認定が不要なことから、事業活動について行政庁への報告義務はありません。

一般社団法人と一般財団法人の定款に求められる内容をみていきます。

一般社団法人は、以下のとおりです。

(定款の記載又は記録事項)

第十一条 一般社団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

一 目的

二 名称

三 主たる事務所の所在地

四 設立時社員の氏名又は名称及び住所

五 社員の資格の得喪に関する規定

六 公告方法

七 事業年度

2 社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。

一般社団法人の設立は、その社員となろうとする者(設立時社員)が共同して
上記の内容の定款を作成し、公証人による認証を受けなければ効力を生じません。

設立時には社員は2人以上必要です。社員は、自然人でも法人でもよいとされています。

一般法人法第11条第2項は、事業で得た利益を法人の構成員である社員への分配を禁止し、
法人の非営利性を担保しているといえます。

一般財団法人は以下のとおりです。

(定款の記載又は記録事項)

第百五十三条 一般財団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

一 目的

二 名称

三 主たる事務所の所在地

四 設立者の氏名又は名称及び住所

五 設立に際して設立者(設立者が二人以上あるときは、各設立者)が拠出をする財産及びその価額

六 設立時評議員(一般財団法人の設立に際して評議員となる者をいう。以下同じ。)、
  設立時理事(一般財団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この節及び
  第三百十九条第二項において同じ。)及び設立時監事(一般財団法人の設立に際して監事となる者
  をいう。以下この節、第二百五十四条第七号及び同項において同じ。)の選任に関する事項

七 設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人(会計監査人を置く一般財団法人
  又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般財団法人をいう。以下同じ。)
  であるときは、設立時会計監査人(一般財団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。
  以下この節及び第三百十九条第二項第六号において同じ。)の選任に関する事項

八 評議員の選任及び解任の方法

九 公告方法

十 事業年度

一般財団法人の設立は、設立者が定款を作成し、かつ、300万円以上の財産を拠出しなければならないものとし、当該定款は、公証人の認証を受けなければ効力を生じません。

一般社団法人等の設立に関心のある方や
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