訪問して医療提供するためには

病院やクリニックに通院することが困難な方は多くいます。こうした方が医療サービスを受けるためには、医師が自宅に来てもらう必要があります。

医療提供の場所について、医療法では以下のように示されています。

第一条の二 
(中略
2 医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設(以下「医療提供施設」という。)、医療を受ける者の居宅等(居宅その他厚生労働省令で定める場所をいう。以下同じ。)において、医療提供施設の機能に応じ効率的に、かつ、福祉サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図りつつ提供されなければならない。

医療提供施設と居宅等により連携したサービスを提供するものとするとあります。超高齢社会になっている現状から、より自宅で医療サービスを受ける必要性は高まっていると思います。

自宅で受ける医療サービスとして、往診訪問診療があります。

往診と訪問診療との違いとは、診療の計画性です。

往診とは、自宅にいる患者さんから緊急の電話を受けて行う診療です。それに対して、訪問診療とは、自宅で患者さんを診るために計画を立てて月2回など、予め訪問日を決めて診療を行うものです。

こうした違いは、医療報酬にも反映されています。

往診の場合は往診料を算定し、訪問診療の場合は在宅訪問診療料を算定することになります。

本格的に在宅で医療を提供しようと考えていくクリニックは、計画的に事業をすすめることができる訪問診療を検討した方がよいと思います。

さらに、同じ訪問診療を提供するにも、クリニックの体制によって算定上に差が出てくることは留意する必要があります。

有利な算定を得るためには、在宅療養支援診療所の体制をとる必要があります。

ただし、ハードルは低くはないです。緊急時の連絡体制や24時間往診できる体制を確保する必要があるからです。

施設基準を満たすことができれば、地方厚生局に届出することになります。

在宅療養支援診療所は3つに区分されます。単独型機能強化型在宅療養支援診療所、連携型機能強化型在宅療養支援診療所在支診、機能強化型ではない在宅療養支援診療所です。

機能強化型在宅療養支援診療所では、緊急往診や見取り件数といった一定以上の実績が届出時に求められます。したがって、はじめに在宅療法支援診療所として届出しようとするときは、機能強化型ではないものを選択することになると思います

外来診療と訪問診療を両立させるために、自前のスタッフによる対応では無理が生じがちです。その状況を回避するためには、24時間の訪問看護対応できる訪問看護ステーションとの連携が必要となってきます。

今後ますます訪問診療は求められていきます。外来診療と訪問診療ともに広げていこうと考えている関係者の方は気軽に弊事務所へご連絡ください。

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